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2002年3月の写真

Paz - 平和へのメッセージ

 20世紀は、戦争の世紀だと言われる。2度の世界大戦、そして冷戦…。この時代はまた、こうした戦争に続く自由を求める世紀でもあった。

 米国を発端とする自由を希求する運動は、人類普遍の権利として世界を席巻した。最大の事件をベルリンの壁の崩壊にもとめるとしても、言論や宗教など、身近なところでも自由を求める動きとは無縁ではなかった。

 そして21世紀を迎えた現在、自由の名の下に、さらに戦争が行われようとしている。その様は、いまだ「不自由な側」にある途上国ブラジルから眺めると、自由を求めるが故の不自由のようにも映る。

 元来、この自由というのは、米国の白人のための自由ではなかったか。世界の人々の「自由の守護者」を自認する米国は、自国内の先住民の自由を黙殺する立場である。

 同じく先住民問題を抱えるブラジルの、サンパウロのカーニバルは今年、「平和」がテーマとなった。米国が「自由」を標榜する国なら、ブラジルのそれは「調和」であろう。自然と開発、人種、宗教、文化…。ブラジルという国で求められるのは、個々の特徴を特長として生かしながら、ひとつの国としてまとまる「調和」である。

 ブラジルが21世紀の大国といわれて久しい。これまでのニュアンスでは、資源や市場規模による経済的要素に注目した呼称だった。しかし、「自由」のために戦争を続けるという閉塞期にある現在、これを打破する「調和」の概念を体現する国としても、ブラジルは21世紀の大国と呼ぶにふさわしい。

カメラ オリンパス C-2000Z
露出 1/125 AE
カメラ ミノルタ α-9+VC-9
レンズ ミノルタ AF200mm F2.8
露出 1/125 F2.8
フラッシュ
 

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