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2002年3月の写真

Catedral - Brasilia DF

 ブラジルの迷建築家、オスカル・ニエマイヤーによって設計されたブラジリア。このカテドラルも、同氏のデザインである。「C字」の16本の梁を組み合わせた前衛的なデザインは、私にはどこか、小龍包に見える。

 入り口から内部へと向かうと、都会の喧騒がすっと影を潜め、冷やりとした空気に変わる。4000人を収容できるといわれる内部では、すぼまった天井から、天使がワイヤーで吊り下げられていた。

 祈りの場である前に、デザインがあったのだろうか。静謐ながら、それが宗教的な畏怖に昇華せず、どこか空しさの残る空間デザインだった。望遠レンズを装着して下からファインダー越しに眺めると、天使がかすかに揺れているのが分かる。ワイヤーが切れて天使が落ちてこないか…と、そんなことが気になった。

 カテドラルのデザインの無機質さとは裏腹に、天使の仕上げはやぼったい。この質感が、軽やかさよりも量感を、見るものに与えているようだった。

カメラ ミノルタ α-9xi
レンズ ミノルタ AF200mm F2.8
露出 1/90 F2.8
 

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