11月の写真 |
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初夏暑い暑い、とつぶやきながらサンパウロを歩いていたら、窓ガラスに水を流しているレストランを見つけた。するすると流れ落ちる水が、涼しげである。 この日ざしの中、窓際のクリスマスの定番のポインセチアが目にまぶしい。 クリスマスは良しとしても、初夏であるブラジルの季節からすれば、この時期に赤いのはおかしいのかもしれない。サンパウロは早朝から日中、夕方、夜と、1日の気温の変化が激しい。そこから「1日の中に四季がある」とも表現される。だから、管理さえすれば季節は違ってもこうして赤くなるのかもしれない。もちろん、まったく別の種類ということも考えられるのではあるが。 サンパウロではそろそろ、夜半にサンバのリズムが風に乗って聞こえてくるようになった。いよいよ、夏が近づいているとの実感がわく。市内のショッピングセンターの中には、夏を先取りしてクリスマスの飾り付けを始めたところもあるとか。私自身は、ヒゲもじゃで長袖のサンタクロースを、このブラジルで眺めるのはどうにも苦手。暑苦しさばかりが先行してしまう。 水面に反射しているテラスのパラソルの下には、客は誰もいなかった。
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