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バカヤロウ

 ブラジルでは近年、ノルウェー生まれのバカヤロウが大人気。他にもポルトガル生まれの者、ブラジル生まれのバカヤロウもいることにはいるが、ツラの皮の厚さではノルウェーが一枚上とされている。

 何ゆえそんなにノルウェーのバカヤロウが大好きなのか。そりゃ、そうだ。誰だって肉厚の鱈(バカリャウ=bacalhau)が美味しい事ぐらい知っている。

 戦前のコーヒー畑に入植した日本人初期移民が口にできた魚と言えば、この干鱈であった。肉食になじめない日本人の食卓をずいぶん助けたに違いないのだが、残念ながら誰も鱈のポルトガル語名を知らなかった。なにしろ、ポ日辞書が発行されたのは、第一回移民よりも後の事である。商店で身振り手振りで鱈を購入しようとするが、売り子は全く理解できない。しだいに日本人も怒り心頭、「バカヤロウ!」と怒鳴ったと言う。すると売り子は平然と、「何だ、鱈が欲しかったのか」と、鱈を持ってきたそうな。以来各地で、「バカヤロウを呉れ!」と、日本人は怒鳴りながら鱈を注文したのだそうな。

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