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秋の夜長の復活祭

2002年3月15日

サンパウロ在住 美代賢志

暑さ寒さも彼岸まで、という。

 これがブラジルでは、「夏の暑さはカーニバルまで」という言い方をする。実際、カルナヴァル( Carnaval =カーニバル)を過ぎると心なし、朝夕が涼しくなってくるのだ。ところが今年は、カルナヴァルが2月12日と例年よりも早かった。そのせいかどうか、サンパウロはうだるような暑さが続いている。

 このカルナヴァルが終わると、ポルトガル語でパスコア( Páscoa )と呼ばれる復活祭がやってくる。宗教的な意味合いで言えば実は、パスコアに先駆けてカルナヴァルがやってくる、という表現のほうが正しいそうだ。

 つまり、パスコアは春分の日以降で最初の満月に続く日曜日になる。このパスコアから、日曜日を除いて40日さかのぼった日がカーニバル(灰の水曜日)になる。つまりどちらも移動祭日。この間を四旬節と呼んでいる。

 もともと、四旬節には肉食を避けていたそうで、カルナヴァルは肉を遠ざけるというラテン語( Carne Vale )が語源だともいわれている。

上に吊られているのがオーヴォ・デ・パスコア

これがOvo de Páscoa

 現在のブラジルでは、別段にシュラスカリア(ブラジル式の焼肉店)が閑散とするわけでもなく、日常の生活が続いている。それでもパスコアの前の金曜から、肉食をしないという家庭が多い。と言っても魚肉はOKである。またこの場合は料理も、ナイフを使わないで食べることのできるものに限定する場合もある。

 このようにパスコアは、ブラジルではクリスマスと並ぶ、最大規模の国民的祭日になっている。…のだが、もうひとつ、とりわけ子供たちの楽しみはオーヴォ・デ・パスコア( Ovo de Páscoa )と呼ばれる卵形のチョコレート菓子である。

 このチョコレート菓子をプレゼントするのが、こちらの慣わしだ。

 スーパーマーケットやショッピングセンターで、大小様々の卵チョコが天井といわず柱といわず、ビッシリと飾られている様子は本当に美しい。そしてこのチョコレート卵の中に、ボンボンなどが入っている。当然、高価(大型)なものほど中身も多い。そして購入する時は、チョコレートの殻が割れたりしていないか、あちこち触ってチェックするのである。

 当然、触っている間に壊れてしまったりもするのであった…。

 日本のブラジル雑貨店でも販売されているはずで、これをブラジル人にプレゼントすれば、あなたを見る目も変わるはずだ。

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