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サンパウロ点描 「少女」

2004年8月19日

サンパウロ在住 美代賢志

 週末、散歩がてら、セントロの建物の撮影に出かけた。コロニアル建築は、歴史の重みというものを語る以前に、その造詣で、目を楽しませてくれる。

 日が傾きかけた頃、セー大聖堂の中に入った。急に街の喧騒が消える感覚は、いつ来ても楽しい。この日は、昼間のミサの余韻か、オルガンを演奏していた。どうやらオルガンに併せて誰かが歌っている様子。というよりも、誰かが鼻歌のように歌っているのに併せて、オルガンを弾いているようだ。練習だろうか。

 その歌が、わずかながら聞こえてくるのだが、著しく下手なのが、どこかおかしかった。

 その、ゆっくりと時間の流れる空間には、家族や友人同士、恋人同士、あるいは私のようにひとりだけと、様々な人がやってきては、出て行く。入り口を見ると、家族に連れられた子供が外に出ようというところだった。私がカメラを構えるとその少女は、こちらに振り返ってポーズをつけた。

 セー大聖堂の前庭、セー広場には、10月に行われる市長・市議会議員選挙のポスターが見える。大聖堂の中は聖域であるのだと、あらためて感じた。

選挙が近づくと街が汚れてゆく

 

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