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ホンダ製バイクの都市伝説

2006年6月9日

サンパウロ在住 美代賢志

 2006年6月9日付、O Estado de Sao Paulo紙の記事。
 何でも、前照灯に、「 土 」型というか「十字架のお墓」のように見える部品が使われているとかで、「ホンダの技術者が悪魔と契約を交わしてバイクに呪いをかけている」なぁんて噂になっているのだとか。いやはや。

 本気で、「悪魔にライダーの命を捧げる契約をした証」とか、そんな風に思っている人がいるんだろうか…と思っていたら、気を利かせてこの部品を除去している販売店まであるらしい。こういうジョークはアメリカ国民の専売特許だと思っていたのだけど、そうでもないらしい。というか、ジョークと思っていないオーナーが出現しているってどうなのよ>ブラジル国民のみなさま。

 これでホンダが気を利かせて部品のデザインを変更したら、「ホンダは社員が悪魔と契約を交わしていたのを認めた」とか言われちゃうんだろうなぁ。

これがその記事

 写真の部分を拡大すると…確かにお墓が(笑)。しかも、2つも。

こんな形のキーホルダーとか装飾品があったら引くよな…でも部品だよ

 ちなみにブラジルのお墓には、
☆出生年月日
+死亡年月日
 みたいに書くのが一般的。確かにこのデザインは、日本で言うところの「お星様になりました」の記号って感じなのは否定しない…けど、これはアクセサリーじゃなくて部品ですよ、あくまでも。

 もうね、逆転の発想で「成田山ステッカー」を日本から輸入して希望者に販売するとか、大衆向けには南米大神宮に「交通安全ステッカー(もちろん漢字)」を作らせて格安で販売するぐらい、飛んじゃって良いんじゃなかろうか。エキゾチックだし、売れそう。でも、自社のバイクに張る「交通安全ステッカー」がばんばん売れるというのは、メーカーからしたら嬉しくないだろうな。なんか、事故多発車両みたいな印象になるし。

 そうそう、記事の概要はこんな感じ。

 ホンダCG 150 Titanで使用されているプラスチック製の「十字架」型の部品が、迷信に敏感な所有者らの間に議論を巻き起こしている。インターネット上でこの問題が表面化したのは5月頃で、それ以降、前照灯に関係するこの部品を巡って、「呪いの証」や「同モデルを設計したエンジニアが悪魔と取引を交わした証」などといった意見が登場し、ブラジル全国で論争が巻き起こっている。さらに、オートバイの安全性が失われるが、「十字架の墓」のように見えるこの部品を愛車から取り除くオーナーも出現。こうした状況に対してホンダ側の広報担当者は、「ブラジルにおける35年の実績の中で、このようなばかげたことが大問題に発展したことはない」とコメントしており、部品を置き換える予定もないとしている。このモデルが採用しているピレリ社のタイヤブランド「City Demon」とも相まって、迷信が迷信を呼ぶ形となっている。

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