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サイト開設のご挨拶

2002年3月15日

サンパウロ在住 美代賢志

 サイト開設のご挨拶としてまず、サイト閉鎖のご挨拶を記す。

 と書くと読者のお叱りを受けそうだが、決して冗談や偏屈の言葉遊びではない。管理人は94年7月、ブラジルに移住した。当時、大学を卒業したての紅顔、というより厚顔無恥な若造であった。が、なぜかこれまで、ブラジルにおけるいくつかの紙誌の創刊、サイトの立ち上げに関わることが多かった。しかもそれが結構、廃刊や路線の変更という末路を辿っている。その率、実に6割以上である。

 ざっと記すと、最初に勤めたパウリスタ新聞社は日伯毎日新聞社と合併して日刊紙「ニッケイ新聞(98年3月創刊)」となった。他には月刊紙「ピトレスコ(98年11月創刊)」、ポータルサイト「JapanBrazil.com(2001年6月開設)」である。この外にも、結果的には辞退したが創刊を前提に編集長を依頼された「日伯毎日新聞(現ニッケイ新聞)日曜版」というのもある。

 ピトレスコは立ち上げ時の編集長を務めた。が、営業(社長)と意見が合わず、3ヶ月ほどでこちらから辞めた。この新聞は昨年、廃刊(出版元は休刊と発表)している。この編集方針は、「実際に持ち歩いて使える情報紙」であった。が、なぜか経営者の選んだ形態は、版が大きく厚めの紙質であり、鞄に放り込めるものではなかったのだ。これまた編集者として立ち上げの企画から運営まで行ったJapanBrasil.com日本語ページは現在、オリジナルの姿をとどめぬサッカー情報サイトへと変貌している。ここは開設から半年ほど運営した2002年1月、はじき出された。現在でも「ヘルプ」カテゴリーに私が記した新年の挨拶が残っており、私がサイト運営に抱いた理念が掲げてある。読者に語りかけるべき筆頭である重役たちが一筆も記さないので、私がこの挨拶文を書いたのである。サイトがすっかり姿を変えた後もこのような場違いな一文を掲げる神経を疑うが、所詮、企業はそのようなものであろう。ということで健在な姿で現存しているのは、単なるヒラ社員として参加していたニッケイ新聞だけである。ちなみにこの新聞のポルトガル語版創刊号の表紙はなぜか、私の顔写真が堂々と半ページも占領していた。

 さて、メディアというものはいずれも、創刊・開設にあたっては鼻息荒く理念や挨拶などを謳うのだが、いざ廃刊や路線変更となると、その態度や鼠伏そのものである。また創刊に立ち会った当人とて、会社を離れてしまってはその挨拶を記す術がなくなってしまう。これは読者に対する大変な非礼であろう。よって今回は、あらかじめサイト閉鎖のご挨拶を行うことにした次第である。

 当サイトは、美代賢志一個人のサイトである。余程のことがない限り、閉鎖の憂き目は見ないであろう。が、考えられるものとしては次のような事項がある。

 個人サイトであるから、美代賢志の病気や死亡、その他、物理的に執筆活動の継続が困難な状況に陥った場合。ただし、執筆意欲の衰亡を理由にサイトを閉鎖することは、ない。

 有料サーバーであるから、資金的に支払いができなくなった場合。もちろんサイトによる収入以外に資金源を得た上で万全の体制を試みてはいるのであるが、世の中、一寸先は闇である。訴訟等で思わぬ出費、あるいは反感をもった個人や企業による資金源(出資者)への圧力、ならびに官憲からの閉鎖命令がでた場合も同様である。

 以上を理解していただいた上で当サイトの運営理念を記すとすれば一言、「日本とブラジルの相互理解のお手伝い」ということに尽きる。それも、「ブラジルを知るにはブラジルという国に身を置かなければならない」ということではない。もっと身近に、それは音楽でも料理でも、あるいはブラジル人との会話でもかまわない。むしろ、そこから咲く花こそが出発点であろう。この一助になればとの気概をもって運営にあたる所存である。

 また当サイトの営業権は、営業と編集の相互独立を図る目的から以下の会社または団体に委託させて頂いております。この点、ご理解頂き、下記の連絡先に問い合わせていただければ幸いです。

日本側 藤崎事務所(藤崎康夫所長 メール:zb8y-fjsk@asahi-net.or.jp)
 所長の藤崎康夫氏はフリージャーナリストで、ニッケイ新聞社東京支社長も務めておられます。

ブラジル側 宮崎ツリズモ(宮崎秀人社長
 社長の宮崎秀人氏は元パウリスタ新聞(現ニッケイ新聞)記者で、サンパウロで旅行代理店を経営されておられます。

 ちなみにサイト名の貴卑談語とは、「高貴も卑俗も談じて語る」という意味で命名しました。ブラジルのあらゆる事象に好奇心を持って読者に伝え、共に語り合いたい、そんな気持ちを込めています。

 最後に、当サイトの開設と運営にあたって日本人、ブラジル人を問わず多くの方々の援助、助言を頂きました。お名前を列記させて頂くことは控えさせていただきますが、あらためてお礼申し上げます。

2002年3月15日
管理人 美代賢志

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