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DiMAGE A1本来の画質

2004年4月16日

サンパウロ在住 美代賢志

 気がつくと、ずいぶんズラズラ書いてしまっているこのシリーズ。一応、これまでのリンクを。

1) 舌の根も乾かぬ内に新たなデジカメ
2) A1その後

 A1もこうして使っていると、当初は常時携帯用の「お手軽」などと言っていたのが、次第に欲が出てきた。カーニバルで使ってみたりしたのもその一例。そうすると、当然ながら画質にも不満が出てきた(当初から予想はされたことだけども…)。使用を開始してすぐ、「赤色が妙に浮いている」というのは感じていた。つまり、赤が飽和しやすい。緑は、カメラの液晶で見て飽和しているようでも、PC上で確認するとそうでもない場合が多い。そして先日、アセロラを撮影したところ、モニターを前に凍りついてしまった。シャープネスを弱にしている以外は、標準現像。ホワイトバランスは太陽光。

ちょっと赤色が不自然(標準現像)

 私の場合、DiMAGE A1ではRAWファイルによる撮影、PCで現像後JPEG保存。そのJPEG画像を見ながら、必要であれば個別に現像するという流れで運営してきた。RAWで撮影する理由は、単に「彩度とホワイトバランス、露出精度」の問題。あとノイズを抑えるため、明るめに撮影してローキーに現像することもある。基本的には、「カメラのモニターでしっかり確認できるなら、JPEG撮影でいいんじゃないの?」という立場。

 ところが最近では、DiMAGE A1の手間というか運用にも慣れてきたので、不満点としての画質が気になりだしていたのも事実。何しろ、RAWだからといってJPEG撮影よりもノイズが改善されるわけでもない。色味以外のメリットを感じられないなら、RAW現像も(バッチながら)面倒だし。ところがこのアセロラ画像は、ディマージュビューワーでの現像時にパラメーターをいじる程度では(あるいは私の技術水準では)、改善することができない。何てことだ。RAWで色味を救えないなら、何で救うのか。コニカミノルタ以外の現像ソフトが無いものか…。

 と、ちょうどその絶妙のタイミングで登場したのが(って、まだ製品化はされていないけれど)、SILKYPIX。同じRAWファイルを、こちらで現像してみた。ホワイトバランスが上手く機能していないようなので、これのみ手動で調整。それ以外はデフォルト。

こっちの方がアセロラ本来の色に近い

 いかがだろうか。少なくとも私は、SILKYPIXに軍配を上げたい。色がこってりしているのも(ちょっと彩度が高すぎるけど)、ポジっぽくて好みだ。ただしこれも完璧ではなく、ブロック状のノイズがのる(ただし等倍では分からないので気にしていない)。

 もうひとつSILKYPIXに驚いたのは、(コニカ)ミノルタの欠点とされてきたザラザラしたノイズが低減されること。それから、A1に特有の暗部のシマシマノイズも低減される。しかも、シャープさは、SILKYPIXの方が上。いったいコニカミノルタは、ディマージュビューワーでどんな処理をやってるんだか…である。カラーバランスと全体の見た目をなるべく合わせて出力してみたが、いかがだろうか。ちょっとSILKYPIXの方がフラットで暗めになってしまったものの、おおよその雰囲気は分かっていただけるはず。

これが元画像全体

 

等倍の切り出し。上がディマージュ・ビューワー、下がSILKYPIX

 もしかすると、SILKYPIXではISO200相当の撮像感度も実用域になるかも知れない…。そんな期待を抱かせてくれる。

 目下の悩みは、今後はRAWで画像を保存すべきか、それとも今までどおり現像してJPEGで保存すべきか、ということ。あるいはその両方を保存か…。近頃はDiMAGE A1と倦怠期ともいえる関係だったが、これで楽しみが増えた。

2004.05.17追記
 カラーバランスに関してはその後、何度か改善が行われている模様。色がコテコテになる現象もなくなった(現時点での最新バージョンは0.0.1.8)。正直、暗部に乗ってくるノイズが劇的に改善されるので、手放せないソフトになっている。あと一息で充分な実用域に達すると思う。とりあええず、このバージョンから、一括現像(パターンの一括指定はできないが)ができるようになった。現像前にピンを確認するのもスムーズだし、現像プロファイルを適用する手間はあるが、総合的に見て、これまでのRAW→DVによるJPEG化(バッチ)→画像確認→個別現像という流れよりもスムーズ。SILKYPIXの場合は、ピンの確認→現像の基本データを適用→現像予約→まとめて現像という流れ。
 ま、何はともあれ、(少なくとも私にとっては)これでA1の可能性がさらに広がったことを素直に喜びたい。

2004.05.27追記
 焼けCCD氏がサイトで、DiMAGE A1のRAWのポテンシャル(階調)を最大限に引き出すTips(といって良いのかな)を紹介されている。Photoshop CSを使用。正直、モニターを前にして驚いた。すごい。「A1の画像は小骨が多いけれども美味しい魚」という表現も、実にピッタリだと感心。暗室の物理的制約から高温現像+曇りレンズに四苦八苦しながら小さな35mmのモノクロフィルムを楽しんでいた新聞社勤務時代を思い出した。RAW現像とは良く言ったものだなぁと改めて思うとともに、銀塩のような、表現に応じて様々な現像液(現像プログラム)を積極的に楽しむ時代が到来したのだと感じている。

つづく

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